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  • 執筆者の写真Alex

KG+ PHOTOGRAPHY 2024


時の感覚


フランス人写真家ロレーヌ・ティリアにとって、物質・記憶・時間と向き合うことは、いかにして時間を凍結させるか、いかにして面影をとらえるか、かつてあったが今はないものの痕跡をつかむか、いかにして消え去った壁や、時に忘れ去られながらも尚残る過去の感情の痕跡をとらえるかという現在進行中のプロジェクトです。


最近では、"The Senses of Time"(時の感覚)と題した新しいシリーズに取り組んでいます。このシリーズは、物質(壁画、植物、鉱物、有機物等)との関係を常に抽象的な形にとどめようとする決意をもって制作を続けています。

記憶と物質が呼び起こされるとき、身体への働きかけが不可欠であり、意味があることは明らかです!


こうして彼女は、質感と視覚表現の施された、しかし目に見える身体やイメージの中に表現された身体が存在しない身体の彫刻を制作することを想像するようになりました。 

彫刻に携わりつつ抽象的であり続けることは、彼女にとって不可欠でした。


アイデアは、本来彫刻的でも本質的でもない素材を、写真的な目線を通して撮影することです。

『陰翳礼讃』に鋭く表現される谷崎潤一郎の哲学に着想を得た彼女は、光と影を素材に反射させるアルミニウムダイボンドの印刷支持体により彫刻のようになった襞や線の写真を通して、影を明らかにしようと試みています。


写真的な視点によって物質を実験的に彫刻をする内に、身体という問題が戻ってきました。イメージを通して身体を捉えようと試み、身体のない身体、示唆された身体、写真空間から欠落した身体の美学を伴います。


そのため彼女は、視線を通して目に見えない身体を固定しようと試みています。その身体は、そこに宿り、覆い、守ってきた布によって作られた痕跡、形、影を残しています。

ひだの下の触れられそうな、かつてあり、そして今はないこの肉体の痕跡を裏付けるのは、線と曲線だけなのです。 


このシリーズは、身体の記憶を定着させ、その動きの記憶、感情の痕跡を捉える試みです。 


ロレーヌ・ティリアは弁護士から画家、そして写真家に転身しました。

彼女は、自分の感情を写真に翻訳し、転写しようとする感覚世界の冒険者であり、壁の言語をキャッチし、それらの色とりどりの記憶やささやきを宿そうと試みています。


彼女の壁の写真群は、絵画作品とは切り離せません。


その抽象性を捉えるために現実を解体することをやめない彼女の写真へのまなざしには、常に絵画的なフィルターが先立ち、付随しています。


公式ウェブサイト : www.lorrainethiria.com

インスタグラム : macosmicgirl

フェイスブック : ロレーヌ・ティリア


4月22日午後3時から6時まで(入場無料)、オープニング・イベントに作家が出席する。作品についての説明がある。

4月26日、27日、および予約制で作家本人が来場する。



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